難問題の系統とその解き方 物理Ⅰ・Ⅱ

大学受験-理系の必勝参考書

難問題の系統とその解き方


難問題の系統とその解き方物理I・II―新課程

著者:服部嗣雄
出版社:ニュートンプレス
定価:1785円(税込)
全527ページ

高校物理学の完成問題集です。主に難関大学を受ける人向けで、掲載されている問題は全て難問奇門ばかりです。

本書はかなり難しい問題を掲載していて、その解き方と問題系統を詳細に解説している問題集です。難問題と言っても、出題形式はある程度決まっていて、各セクションに数題しか決まった型の問題はありません。なので受験生にとっては、似たような問題を解いたことがある人の方がはるかに有利になります。難関大学の2次試験では、他の問題集で取り上げている難問題や重要問題では対応しきれません。というのは、問題量が数ページにわたって出題されることもあるからです。他の問題集では多くても1ページでおさまってしまう問題が多いですが、この問題集は2~3ページもある問題が多いです。物理は、いかにそのような長い問題に対応できるか、本当の意味での難問題に触れてきたかで合否を分けると思います。
本書の中身は、分野ごとさらに各セクションごとに分かれていて、まず要項でそのセクションで必要な事柄をまとめています。この要項では基本事項はわかっているものとして、難問題を解く上で必要なものを取り上げているので基本がしっかりできていないと、読んでても意味がわかりません。次に例題が各セクション10題前後掲載されています。例題といっても大学名を知らない人はいないくらい有名な大学の難問題が掲載されています。もちろん難易度は最難です。すぐ下に、考え方の基本、解答、解説があります。考え方の基本では問題の本質を説明していて、解答では答えだけでなく入試で答案用紙に書くような体系的な解答が載せられています。解説には問題をどう解いていくかの説明ではなく、本質を捉えた上で出題された物理学の現象を解説しています。各セクションの最後には演習問題が10題前後豊富に用意されているので、ここで実力を強化してください。解答・解説は最後のセクションでまとめてあります。もちろん難易度は最難です!

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【本書の構成】
*力学:主に質点の運動に関するものである。力を見つけて運動方程式を立てれば、原則的には全ての運動が記述できるが、高校物理の範囲ではせいぜい4つのタイプの運動しか記述できない。したがって運動の法則で記述できなければ保存則を使えば良い。以上の2つのセクションで成り立っている。

*波動:波動に関する一般的な性質を調べること、具体的な波動(弦を伝わる波、音波、水の波、及び光波)を調べること、この2つのセクションから成り立っている。

*電磁気:電荷が静止している場合の現象を取り扱うのが静電気。逆に電荷が動く場合すなわち電流が流れる場合の現象を取り扱うのが直流回路。また電流と磁場との関係特に電磁誘導について調べる事項、正弦波交流の性質と荷電粒子の運動について調べる事項、以上4つのセクションから成り立っている。

*物質と原子:熱現象を巨視的に調べるのが熱力学。これらの現象を微視的な分子の運動から説明しようというのが気体分子運動論。さらに個体の性質や導体・不導体・半導体の性質などを調べる事項、この3つのセクションで構成されている。

*原子物理:この章は、最も現代物理学に近い分野である。粒子性・波動性やボーアの原子模型などを調べる事項、原子核の構造や核反応を調べる事項、この2つのセクションから成り立っている。